作品について
赤い薔薇が舞う中、剣を抜こうとするオスカル。真紅に金の肩飾り、袖口の衣装。青い髪が風になびいている。
ところで、オスカルは金髪のはずなのだが、ここで髪は青く表現されている。
ここで髪が金で表現されると、衣装や剣の色と同化し、違った印象の作品となったはずだ。背景にブルーのシルエットで描かれるパリの街並みとあわせ、淡い青で描かれることで、緊張感のある作品となった。
強い意志を持ち、男性に負けない剣の腕を持つ女性。その姿は、時代や国を超えて、多くの人に勇気を与え続けている。
*この作品は2枚セットです。
*プリントにサイン(直筆)
1967年、東京教育大学(現・筑波大学)在学中に『バラ屋敷の少女』でデビュー。1972年に「週刊マーガレット」で連載を開始した『ベルサイユのばら』がベストセラーに。1980年『オルフェウスの窓』で日本漫画家協会優秀賞を受賞。40代で音楽の道に進むことを決意し、1995年、東京音楽大学声楽科に入学。卒業後、ソプラノ歌手として舞台に立ち、オペラの演出も手がける。2009年、フランス政府からレジオン・ドヌール勲章を授与される。
フランス革命期のパリ、ベルサイユ宮殿を舞台にした歴史ロマン。14歳で、オーストリア帝国のハプスブルグ家からフランスのブルボン家に嫁いできた皇女・マリー・アントワネット。彼女を護衛するのは、将軍家の末娘でありながら男として育てられたオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。連載開始から幅広い読者を魅了し、1974年宝塚で舞台化。1979年にはテレビアニメ化された。

アーカイヴァル インクジェット プリント
マンガの原画、特に染料系のマーカーで着彩されたカラーイラストレーションは、非常に褪色しやすい。マンガ雑誌の表紙や口絵、コミックスのカバーのために描かれるイラストレーションは、もともと原画そのものが展示〜鑑賞されることを前提に描かれてはいない。印刷され、雑誌やコミックスとして読者の手元で見られることを想定して制作されているのである。線画をコピーしたうえに着彩されているものも多く、キャラクターと背景で切り貼りされているものもある。変色した色の修正を含め、これらの作品化にあたってはレタッチが必要となる。

2008年からマンガのデジタルアーカイブを進めている集英社では、当初は高精度スキャナEverSmart Supreme II、2015年からは高解像度のデジタルカメラPhase One IQ180により、カラー原画をキャプチャーしている。2020年からはPhase One のCultural Heritageシリーズを使用。商業印刷では再現できない色の領域まで撮影〜保存することができ、絵が描かれた紙のテクスチャーまでも取り込むことが可能である。
このデジタルアーカイブデータと撮影機材を活用し、原画が描かれた当時の色彩を復元すべくレタッチ。原画〜データ〜プリンタをつなぐ適切なカラーマネジメントを行い、プリントを行っている。
またデジタル作画された作品においては、商業印刷で一般的なsRGB領域ではなく、より広い色域を持つAdobe RGB領域でのカラーマネジメントとプリントを行い、深く鮮やかな色を表現している。
