作品について
カエル型の気密服に身を包んだ黒髪の少女。
コーティングされたメタリックグリーン、透明な樹脂素材、弾力を感じさせる肌など、複数の物質感が描き分けられた、魅惑的な作品である。
フルフェイス型のヘルメットの、頭についた大きなふたつのライトがカエルの目。開口部がカエルの口を模しており、ユーモラスなとぼけたイメージになっている。
こちらを見て何かを話しかけるような、黒髪の少女。両胸のあいだにはさみ、指に吸盤のついた両手で抱えた透明なチューブ。その中には、カラフルな風船のような生物が浮かんでいる。
ヒップには目のような透明のパーツが埋め込まれている。南米には、クイアバ・ドワーフ・フロッグという、お尻に敵を威嚇するための「偽眼」を持つカエルが生息するが、そうした生物を参考にしたのだろうか。
高い画力で、ガジェット的な面白さとフェティッシュなセクシーさがまとめられている。
*この作品は2枚セットです。
*プリントにサイン(直筆)
1995年「漫画ホットミルク」(白夜書房)掲載『SEPTEMBER KISS』にてデビュー。「ウルトラジャンプ」(集英社)にて『天上天下』、『バイオーグ・トリニティ』(舞城王太郎と共作)、「週刊少年マガジン」(講談社)にて『エア・ギア』を連載。『エア・ギア』では第30回講談社漫画賞少年部門を受賞。アニメ、ゲームのキャラクターデザインも多数手がける。現在は「週刊少年マガジン」誌上で『化物語』(原作:西尾維新)を連載中

アーカイヴァル インクジェット プリント
マンガの原画、特に染料系のマーカーで着彩されたカラーイラストレーションは、非常に褪色しやすい。マンガ雑誌の表紙や口絵、コミックスのカバーのために描かれるイラストレーションは、もともと原画そのものが展示〜鑑賞されることを前提に描かれてはいない。印刷され、雑誌やコミックスとして読者の手元で見られることを想定して制作されているのである。線画をコピーしたうえに着彩されているものも多く、キャラクターと背景で切り貼りされているものもある。変色した色の修正を含め、これらの作品化にあたってはレタッチが必要となる。

2008年からマンガのデジタルアーカイブを進めている集英社では、当初は高精度スキャナEverSmart Supreme II、2015年からは高解像度のデジタルカメラPhase One IQ180により、カラー原画をキャプチャーしている。2020年からはPhase One のCultural Heritageシリーズを使用。商業印刷では再現できない色の領域まで撮影〜保存することができ、絵が描かれた紙のテクスチャーまでも取り込むことが可能である。
このデジタルアーカイブデータと撮影機材を活用し、原画が描かれた当時の色彩を復元すべくレタッチ。原画〜データ〜プリンタをつなぐ適切なカラーマネジメントを行い、プリントを行っている。
またデジタル作画された作品においては、商業印刷で一般的なsRGB領域ではなく、より広い色域を持つAdobe RGB領域でのカラーマネジメントとプリントを行い、深く鮮やかな色を表現している。
