作品について
空座第一高等学校の夏服姿から、死覇装に斬魄刀を持つ姿に。そして異形の姿へと変わっていく黒崎一護。刀の姿は、始解「斬月」から、卍解「天鎖斬月」に変化し、一護は仮面をかぶる「虚化」した姿、ツノを生やした「完全虚化」した姿へと変身していく。
この絵は、「週刊少年ジャンプ」2010年38号の、カラー口絵として描かれた。この絵に続きマンガの本編がはじまることを思えば、絵の左端に足袋をはいた足、着物の端、鎖だけが描かれている一護が、どこに跳躍していったのかが分かる。
破面篇のクライマックスとなる、416話「DECIDE 18 [THE END]」。死神も虚も超越した存在となった藍染惣右介の前に、一護は降り立つ。
原画はB4サイズ(257mm x 364mm)の紙3枚に分割して描かれ、染料系のインクで着彩されている。死覇装は、ベタを二重に塗ったものを別紙にプリントし、さらにマーカーで二度重ね塗りして表現。はっきりとした黒が印象的である。
作品化にあたっては、3枚に分かれた絵をつなぎ、8色に分版。コロタイプ印刷により、木版画のように単色を重ねていく方法でプリントを行った。原画原寸から拡大し、大判の美濃和紙に刷られた作品は、よりダイナミックなインパクトを見る者に与えるだけでなく、長期にわたる保存性を兼ね備えることになった。
そこに、久保帯人が図案を描き起こし、監修した落款が押される。右上には引首印(いんしゅいん)「BLEACH」。左隅、上には白文印「久保帯人」、下に雅号印(がごういん)として「Tite Kubo」。さらに作家の直筆サインが入れられる。
*保存と輸送時の作品保護のため、「仮巻」と通称される巻物状の保存容器に収めた状態でお届けします。
*ブロックチェーン連携販売証明書を同梱。すべての作品は、ブロックチェーン証明書サービス「Startbahn Cert.︎」に登録されます。ICタグをスマートフォンでスキャンすることでブロックチェーン証明書の情報が閲覧できます。
*和紙に繊細なプリントを施した作品です。ご購入後はお取り扱いに十分お気をつけください。
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1996年『ULTRA UNHOLY HEARTED MACHINE』(「週刊少年ジャンプ増刊Summer Special」掲載)でデビュー。2001年〜2016年、「週刊少年ジャンプ」で『BLEACH』を連載。2018年、新作『BURN THE WITCH』を発表。2021年、新エピソード『BLEACH 獄頤鳴鳴篇』を公開。
2005年、『BLEACH』で第50回小学館漫画賞を受賞。2008年、コミコン・インターナショナル・インクポット賞を受賞。
突然「死神」の力を得た主人公・黒崎一護(くろさきいちご)を中心とする、バトルアクションストーリー。虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊や、敵の死神達との戦いを通し、一護や仲間の成長を描く。2004年、テレビアニメ化。2016年、連載完結。コミックス全74巻の全世界累計発行部数は、2022年12月時点で1億3000万部以上。「週刊少年ジャンプ」2021年36・37合併号(8/10発売)で、新エピソード『BLEACH 獄頤鳴鳴篇』を発表。2021年12月より、『BLEACH』生誕20周年を記念し、原画展を開催。2022年、アニメ『BLEACH 千年血戦篇』放送開始。

コロタイプ プリント
コロタイプは、1855年にフランスの科学者アルフォンス・ポアテヴァン(Alphonse Poitevin)によって発明され、19世紀末から絵はがき、アルバム、美術品の図録などに広く用いられた印刷技法である。実用化された写真製版技法としては最も古いものとされ、定着されたイメージが100年以上残ることが歴史的に実証されている。このため、京都の寺社仏閣の修復記録資料には、コロタイプ印刷による写真が現在でも添付される。
1887年、明治時代創業の便利堂(京都)は、現在でもカラーのコロタイプ印刷を行う、世界で唯一の工房を持つ。法隆寺金堂壁画の原寸大撮影などを行なってきたこの工房に、製版と印刷を依頼した。
マンガアートの制作では、高解像度デジタルカメラ〜大判ネガフィルム〜ガラス刷版〜専用顔料インク〜コロタイプ印刷機が用いられる。
撮影にはPhase Oneの高解像度カメラを使用。フラットベッドスキャナでの取り込みでは記録できない淡い色彩や紙のテクスチャーまで、取り込むことが可能になった。商業印刷で主に用いられるオフセット印刷では、CMYKの4色・4版が用いられることが多い。一方、集英社マンガアートヘリテージのアートプリントでは、作品にあわせ、20色・20版を超える版が使用されることもある。
ソフトウェアで色分解を行ったあと、色と色が重なる部分をレタッチしていく。例えば肌色の上にキャラクターの輪郭線や髪の毛が描かれている場合、データそのままではほんのわずかな版ズレで紙の白地が見えてしまうとともに、色の重なりで生み出される奥行きが表現されない。このため、データ上では白く抜かれている部分を同色の肌色で補筆していく。自動で行えない作業のため、すべてスタッフの手で行われる。
久保帯人「BLEACH/The Millenium」(2022)製作風景できあがったデータをプリントサイズと同寸で、大判のネガフィルムに出力する。ネガを確認し、仕上がりの調整が必要と思われる箇所には、鉛筆でネガに直接グラデーションやディテールを描き込む。
久保帯人「BLEACH/The Millenium」(2022)製作風景コロタイプは、かつては「玻璃版(はりばん)」と呼ばれていた。「玻璃(はり)」は、ガラスの古称。ガラス板にゼラチン感光液を流し、上下左右に振って表面に均等に塗布する。主に使用されるガラス板のサイズは「695cm×455cm×厚さ10mm、重量約9kg」「1250cm×720cm×厚さ10mm、重量約24kg」。ガラス板は摂氏60~65度、湿度約20%に調整された乾燥庫に約1時間置かれ、製版可能な状態になる。
感光台の上にネガフィルムを置き、ガラス板を載せ、ラバーシートをかぶせる。空気を抜いて圧着させ、台を回転させて、上から紫外線を照射する。感光させた後、ガラス板を台から取り外し、流水で洗浄する。こうしてできあがった刷版には、微細な「しわ」が現れている。オフセット印刷やグラビア印刷、インクジェットプリントなどでは、小さな点の集まりによって色や線が表現される。一方、コロタイプ印刷では、この「しわ」に抱き込んだインクの量で濃淡が表現される。顕微鏡で拡大しても網点が現れない滑らかなグラデーション表現が、コロタイプ印刷の特徴のひとつである。
久保帯人「BLEACH/The Millenium」(2022)製作風景便利堂では、三谷製作所(愛知)製の印刷機4台と、広瀬鉄工(大阪)製の大判印刷機1台が稼働している。三谷製作所の印刷機は1950〜1970年代に、広瀬鉄工製の大判印刷機は1995年に導入された。大判印刷機の最大プリントサイズは24×48インチ(約600×1200 mm)。その他の印刷機の最大プリントサイズは20×24~25インチ(約500 × 600~635mm)。円圧式と呼ばれる印刷機で、平らな版に対して円筒状の「圧胴」が回転しながら圧力をかけて印刷する。
印刷には、コロタイプ印刷専用の顔料インクを用いる。三星インキ(大阪)製造。顔料の含有率が60%と、非常に固いインクであり、耐光性・耐候性ともに優れている。
ヘラを使って手作業で伸ばし、印刷機の金属プレートに均等に塗布する。ガラス刷版にはスポンジで水を含ませる。ゼラチンは水を与えると膨張するが、感光して硬化した部分は膨張しない。油性の顔料インクと水は反発するので、光を強く受けた部分は水分が少ないためインクを多く抱き、光を受けなかった部分は水分が多いためインクを抱かないことになる。これが濃淡の差となり、豊かな階調表現が可能になる。
給紙は一枚ずつ、手差しで行われる。用紙によって紙の特性が異なるのはもちろん、季節や気候によっても、印刷特性が変わってくる。手漉きの和紙を用いる場合、一枚ずつ微妙に紙の厚みも異なる。このため、紙を印刷機に通す前に、紙を適度に丸めて癖をなおし、印刷機の中の通りを均一にする。
久保帯人「BLEACH/The Millenium」(2022)製作風景便利堂では国宝や重要文化財の複製を製作することが多かった。マンガのカラーイラストレーションで使用される鮮やかな色彩を用いたプリントは初めてのチャレンジとなった。20版を超える版を用いたプリントでは、版ズレをおさえることはもちろん、この多色刷りに和紙が耐えられるのかも問題になった。ルーペで印刷面を一枚ずつ確認しながらのプリントが行われた。
尾田栄一郎「ONE PIECE / The Scroll 壱」(2024)制作風景