
黒と白。そして赤。
黒い線が白い紙の上を走り、線に命が宿り、動き、戦い、血飛沫が舞う…。
久保帯人『BLEACH』のアートプリントを一挙に公開する展覧会を開催します。
千年先にマンガを伝えることを目指し、制作された「The Millennium」シリーズ。集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーの茶室、阿庵では、その第一弾である「BLEACH / 黒衣少年図」の軸装ヴァージョンを展示。激しくなる炎を、光と音で表現した空間で、作品を鑑賞いただきます。
メインギャラリーでは、第二弾「BLEACH / 月牙領身図」の額装ヴァージョンを展示。美濃で和紙が手漉きされ、京都のコロタイプ工房で色が重ねられ、深い漆黒を表現した作品が生まれるまでの制作過程を紹介します。通常の商業印刷はCMYKの4色を用い、網点のかけあわせでカラー表現することがほとんどです。本作では、9色を重ね刷りすることで、墨で和紙に直接描いたかのような、奥行きのある黒が生まれました。
大英博物館のマンガ展をキュレーションしたニコル・クーリッジ・ルマニエール氏の助言をもとに、この作品は、すべて深大寺(東京・調布)で厄除招福の護摩祈願をしていただいています。ギャラリーでは、この時の様子とともに、同寺書院での友吉鶴心の薩摩琵琶演奏とのコラボレーションムービーも上映します。
またカラープリントシリーズ「Real Color Collection」の作品を初リアル展示。コットン100%のミュージアムクオリティーの用紙に、アーカイヴァルインクジェットプリント。ダイナミックな構図、鮮やかな色彩で描かれる情景を、A1サイズでお楽しみください。
そしてモノクロプリントシリーズ「The Press」。現在では希少になった大型の活版平台印刷機を用いて制作された作品は、印刷された面が沈みこむ、独特な表面を持っています。単純なプリントに見えますが、繊細な描線と、力強いスミベタなどを同時に表現するため、最大で5版を用いて制作しています。
マンガを、千年先に伝える。我々の挑戦は続きます。
住所: 105-0001 東京都港区虎ノ門5−8−1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1
アクセス: 地下鉄日比谷線「神谷町駅」5出口より、徒歩約1分
営業時間: 11:00~20:00
休廊日: 月曜日および2024年3月1日〜3月7日